通り土間とLDK

冷房で居住環境を向上させることができなかった時代、住まいの居住性を確保するために、吉田兼好の徒然草に書かれているように、「住まいは夏を旨とすべし」としていました。住まいの中に、夏のぎらぎらとした光が降り注ぎにくいように、軒を深く伸ばし、通り土間などをつくり、自然の風が通り抜けるようにしていました。
しかし、「夏を旨とすべし」を実行すると、どうしても、冬はかなり寒くなります。しかし、高温多湿の気候では、風通しを良くしなくては、住まいの構造躯体が木材であるため、深刻な影響が出てしまいます。

私の友人が住まいを新築した時、住まいの南側を東西に通り土間を作ることにしました。夏は気温が高いだけでなく、湿度も高いので、通り土間を作ることにしました。また、通り土間を吹き抜けにすることで、間口が狭く、奥行きが長い住まいの割には、太陽の光が入ってきます。東西に自然の風が吹き抜けていくことで、春や秋は通風換気ができます。しかし、徒然草が書かれた時代とは、街の環境も大きく変わってきました。道路はアスファルト舗装され、夏にはかなりの高温になってしまいますし、その道路を自動車やバイクなどがほこりと排気ガスを撒き散らしながら、行きかいます。ヒートアイランド現象で、熱帯夜が続き、地球規模で温暖化しています。とても通風換気だけで、夏を快適に過ごすことができる環境にはありません。熱中症にかからないためにも、冷房が不可欠になってきました。冷房をかける場合、この通り土間はかえって、冷暖房効率を下げてしまいます。そのため、通り土間とLDKをそれぞれ独立させて、冷暖房が早く、効率よく稼働するために、2年目の夏に間仕切り用の引き戸を設置してもらいました。かつてのように、十分に通り土間を生かすことができていないのが現状です。

This entry was posted on 火曜日, 7月 22nd, 2014 at 11:19 AM and is filed under 間取り. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

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